理事長挨拶

 

「住民力の公益法人」

茄子川地域振興財団は、先人の英知と並々ならぬ努力により設立された、全国的にも珍しい公益財団法人であります。

住民の力により組織運営し、80年の長い歴史を有する公益財団法人あります。

 

「設立の歴史」

財団は、高い識見と深い洞察力をもたれた先覚者の地域を思う高邁な志と茄子川住民の熱き嘆願により、民法の規定に基づき、公の財産の寄附行為を受けて、これを特別基本財産として農林大臣の認可(昭和8年)を得て、全国に見ても珍しい「地域の産業振興」を図ることを目的として公益法人「茄子川産業振興財団」として設立されました。

以来、この財団は、昭和の初期の恐慌から戦前、戦後そして復興、バブル崩壊を乗り越えて平成と、その長き歴史を刻んできました。

 

「財団の目的、事業」

設立当時の茄子川産業振興財団は、昭和初期の社会恐慌のただ中にあって、地域の主要産業は米と麦を代表とする農業と賃収入としての養蚕業でした。

財団の役目は、脆弱な地場産業の振興基盤を築くこと、併せて地域を守る防災林・水源涵養林などの多機能を有する里山の維持管理・保全をその目的事業としました。

財団は、公益法人の機能を活用しながら地域の振興発展と社会・地域に住む人々の安定的な暮らしを確保するため、特別基本財産の運用収益を財源として産業振興助成と公共事業への補助金助成での支援を積極的に進め、地域振興を計ってきました。

財団は、その時代・時代の社会・経済環境等に即応しながら、その節目あるごとに住民の地域発展を願う共有目的実現のため、相互理解と協力支援により、財団の本旨・目的を踏み違えることなく運営執行し、今日の茄子川地域の振興と発展に努力し、これを築いてきました。

 

「新生 公益財団法人茄子川地域振興財団の船出」

平成20年 平成の大改革と称して公益法人の大改革が実施されました。

私たちの財団は、それぞれの先人が歩んだ歴史の中で、平坦な道のりばかりでなく茨の道も、また輝かしい功績をも残してきました。

今日ある茄子川地域の発展は、シティホールとしての公的役割を有する茄子川地域振興財団の存在あっての成果であります。

私たちは、財団を住民力で運営してきました。

たその誇りと自信を持って、長年先人から受け継いできた大切な公益財団は、新法の規定による公益財団法人として設立時の基本理念を踏まえ、存続し、残すべきだとの地域住民の強い声援がありました。

この住民の支援を受けて、高いといわれた公益財団法人の県認定を、平成25年4月1日付けで取得しました。

住民コミュニテーホール「公益財団法人茄子川地域振興財団」は、新たな船出をしました。

新財団では、設立時の本旨を堅持、継承し、定款に定める公益目的事業を適正に執行し、かつ、法令を遵守しながら健全運営に努めて参ります。

 

「将来の展望に向け、進む茄子川財団」

将来この地域は、岐阜県唯一のリニア中央新幹線駅のある街として全国に注目される情報を発信しながら、更なる都市に発展変貌することが予見できます。

財団の設立目的は、地域の振興発展と地域づくりであります。

平成26年12月2日中津川市と「リニアまちづくり開発協定」を締結いたしました。

これは、長年財団が取り組んできた「地域振興」「定住化事業」等の諸施策と、リニアに懸ける中津川市の「まちづくりビジョン」とが本財団の公益目的事業と合致、共通することから、この協定を通じて、地方自治体の政策推進力と財団の保有する土地活用の有効活用を図ることで、茄子川地域の将来発展の礎を築き、これを踏まえて、更なる100年の大計に立って街づくりに取り組んで参ります。

 

財団の役割は、地域の未来創造を懸け、住民力を生かし、地域の振興発展のため尽力し資することであります。

 

公益財団法人「茄子川地域振興財団」理事長

原田 幸久