茄子川財団の設立と基本理念

 

1 茄子川財団の設立経過説明

 ア 昭和8年茄子川村の村有財産の山林、農地等を基本財産として民法の規定による財団法人設立(農林省認可)

 イ 設立時の理念 

 譲与土地は、永久に特別基本財産として管理し、これに伴う収益は茄子川地内の公共事業に充当し、地域の振興発展に資する。

 ウ その後、農地については、農地解放により小作人に譲渡された。

エ 当財団は、全国でも珍しい、「山を守る財団法人」として、設立来80年近く地域住民の力で支えられてきました。

「財団は、茄子川地域住民で構成され、約6、000人です。」

オ そのため、自らの力(今では民力)で地域を守るため、基本財産の山は、保安林として、また、財産は処分しないという基本を貫き、財団と住民の共助で守り続けてきました。

 

2 里山力により生命財産を守る財団  

財団の設立は、住民、自らの力で山を守ることにより、災害を防止しようとする強い住民要望から農林省の認可により昭和8年に設立されたものです。

この財団の設立は、茄子川地域の地勢的特性により設立されたものです。

   それは必然的なもので、特殊地質の山、マサド(さば土)地層で、併せて地層が浅く脆弱地質で、ちょっとした豪雨で災害が発生し、また、逆に雨が降らないと干ばつという事態が恒常的に発生するという歴史的に永く大変難儀をした経緯から、山は地域住民にとって、水と災害そして日々の生活と不可分密接な関係のなか、財団と住民の共助により山を守るため設立されたものです。

   100年前の大災害 山林崩壊 400箇所 耕地被害 100町歩

       家屋被害146戸 堤防破壊 250箇所 橋梁 全部流失

   そのほか過去の災害 集中豪雨等による災害発生多数

   財団と住民の力により森林の維持、保全管理に努めたため、この20~30年大災害は発生してない状況です。

 

3 山を守るための財源確保

  森林運営による財源確保は、極めて困難な時代です。

  大切な森林「里山」を守るため、財団の基本理念を損なわない収益事業(ゴルフ場への賃貸料収入)により財源を確保し、災害防備併せて森林の持つ公益的機能の保全、維持、向上に努めてきました。

  平成22年度の山林整備支出費は730万円内収入46万円「6%」

 

4 岐阜県では、今知事さんを先頭に、里山の保全、維持及び森林の保護等のため、「森林環境税」の創設を目指して見えること大に感謝し、併せて大きく期待しています。

 

5 今年度から県の深いご理解により、茄子川地域住民の安全、安心な生活を守る基本となる治山事業「地域防災対策総合治山事業」を採択頂き、事業実施して頂く事に、地域住民共々厚く感謝お礼申し上げます。5年の継続事業も、財団として頑張ってきたためのご支援と理解しております。

 

6 岐阜県の森林面積は、全国5番でその8割が森林です。

それがため、知事さんを先頭として「緑の社会資本」である森林の保全、整備に特に力を入れて見えることに、大いに期待しております。

当財団にも、追い風が吹きはじめ、今までの努力が無駄でなかったことに勇気づけられております。

 

7 財団の責務

当財団は 今後も「山を守る財団」として、「岐阜は木の国、山の国」の森林県にふさわしい、里山財産を適正に維持管理することにより、森林のもつ水源涵養機能、山地災害防備機能、生活環境保全機能など様々な公益的機能の発揮のため、民力を生かした公益事業目的事業を推進してまいります。